スパイスとして料理に利用するイメージのクローブ、精油の独特な薬剤っぽい香りは病院のような匂いと語られることも多いようです。

刺激が強く、多量の使用は避けた方が良いですが、ごく少量であればとても芳しく、様々な場面で活用することができる精油です。

クローブについて

特徴

感染防止剤として使われてきた

高温多雨の熱帯に育つ樹高10m程の常緑樹。釘のような形の花蕾は赤褐色で、葉は小さく灰色です。

2000年以上栽培されて、中世ヨーロッパでは黒死病を防ぐために使われ、東南アジアでは昆虫を避けるためやお産などに使われてきました。

17世紀にオランダ人がモルッカ諸島のクローブの木を切り倒した際、多くの疫病が流行ったといわれています。

ヨーロッパに輸入され、貴重なスパイスとなる

芳香のある昆虫忌避剤として、クローブとオレンジを使った「ポマンダー」の習慣が今もなお受け継がれています。

近年ではクローブの良い香りを利用したポプリや歯磨き、ワインなどのお酒や香水の香料として幅広く利用されています。

精油データ

学名 Eugeria caryophyllata
Syzygium aromaticum
科名 フトモモ科
抽出部位 花蕾
抽出法 水蒸気蒸留法
ノート ミドル
主な成分 フェノール類
オイゲノール
セスキテルペン炭化水素類
β-カリオフィレン
エステル類
酢酸オイゲニル
主な産地 インドネシア、マダガスカル、スリランカ、インド
主な作用 抗ウイルス作用抗真菌作用殺菌作用強壮作用鎮痙作用鎮痛作用

クローブ精油の効能

体への効能

消化器系に有効で、消化器官が引き締まる働きを減少させ、腸内にあるガスを排出するのを助けます。

吐き気や消化不良、下痢などの症状にも役立ち、口臭予防などにも有用です。

痛みを和らげる作用が強くあり、歯痛や頭痛、関節の痛みなどに効果があり、体全体にというよりは局所的に使用するのに適しているようです。

殺菌作用が強いため、空気を洗浄し、細菌に対する抵抗力をつけることができます。

心への効能

心に刺激的な効果をもたらし、記憶力強化や気分を高める作用があります。

気力がなくなった時にこの高揚させる力は役に立つでしょう。

肌への効能

様々な皮膚疾患に局所的に使用することで効果が見込まれます。

強力な精油のためマッサージなど体の広い部分に使うなどの利用は避けましょう。

クローブ精油の注意事項

オイゲノールを含むため皮膚刺激あり。

matsu

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